Statement


幼少期より童話、妖怪の話、民話などの本を好んで読んでいた。それらの世界を通じて人間の持つ恐怖、畏敬、好奇心など感情や心理の存在、非現実的な存在を私に意識させ、それが作品制作をする上でのベースとなった。 
 2008年インドへ訪問した際に6本の指を持つ男の子に出会った。インドでは6本の指は幸運の印とされている事に驚いた。場所や文化が違えば物事を捉える視点が異なり、場合によっては天と地の差が生まれるように感じた。それは制作活動のなかで大きなターニングポイントとなった。
「何処から見るかにより、光にもなり影にも成り得る。」
そんな事を思いながら彫刻を作る。まさにそれは上下、左右、前後、様々な角度から見る事によって全体像を把握しようとする行為ととても似ている。しかし出来上がったものには、やはり表と裏がうまれる。
「またわからなくなってしまった。」
堂々巡りである。けれどもそれがおもしろい。

(2015.12)